【メンテナンス】ヌバック素材の革靴の傷をDIYで修復|パラブーツ シャンボード
ヌバックのパラブーツユーザーからの一通のメール
ある日の朝、一通のメールが届いた。
「件名:Sの日記(旧ブログ名)ユーザーです。」
ヌバックのパラブーツ シャンボードを所有しているという、U氏からのメール。
そのヌバックシャンボードに米粒大の傷が出来てしまい、DIY(Do it yourself)で修復を行いたいので方法を教えて欲しいとの内容。
過去に書いたビルケンシュトック ボストン ヌバックの記事を見てメールをくれたようだ。
その記事を見返してみるとヌバックを磨いた経緯と磨き方は書いていたが、傷の修復方法までは記載していなかった(後日追記済み)。
「米粒大の傷?神経質な人だなあ」、と一瞬思ったが、メールのタイトルを思い出し、「Sの日記(旧ブログ名)ユーザー?やあうれしいなあ。」丁寧にメールを返信した。
U様
お世話になっております。
当方のブログをご覧いただきましてありがとうございます。ヌバックシャンボードの傷の件ですが、ビルケンの傷に施した工程は以下の通りです。
- 布、または紙ヤスリで該当箇所を削る。(最初は粗めのヤスリで仕上げに目の細かいヤスリを使用)
- kiwiのワックスを湿らせた布で鏡面磨きの要領で塗り込む⇒ディアマントを塗って馬毛ブラシでツヤを出す
以上です。
どの程度の傷かはわかりませんが、参考にしていただけると幸いです。
当方も完全な素人ですので、自己責任でお願い致します。 施工後の写真を送っていただけるとありがたいです。S
その後何度かメールのやりとりをして傷の写真を送ってもらい(①の写真)、U氏がそのシャンボードをビジネス兼用で使用していることを知り、神経質になる理由も理解できた。
傷が付きやすい登山靴の素材にヌバックが選ばれる理由
しばらくすると、紙ヤスリを#80→#400→#600→#800→#1500と徐々に細かい目のヤスリで仕上げていき(②の写真)、サフィールのニュートラルのワックスで磨き、第一段階を終了したとの報告があった。
かなり大胆に削っている写真が送られてきた為、怖くなり、削り過ぎないよう慎重に行うよう促した。
しかし、自分で納得のいく方法でやるのがDIY(Do it yourself)の醍醐味。「失敗したらどうしようか。この方法で大丈夫なのだろうか。」そんな思いと闘いながら進めていく楽しさも十分に理解できる。
ヤスリで削った後、サフィールのニュートラルのワックスのみで仕上げたという該当箇所は大胆に削った(②の写真)後とは思えない程周辺に馴染み、見事に目立たなくなっている。(③の写真)
どんな状況でこのような傷が付いて、どの程度時間がかかったのかまでは確認していないが、表革ではここまで綺麗に仕上げることはできないだろう。最近の登山靴の多くにヌバックが使われているのは傷が付いてもメンテナンスし易いというのも理由のひとつにあるらしい。
そしてその後、さらなる仕上がりを求める貪欲なU氏は再びアドバイスはないかと要求してきたので、ビルケンの時にはサフィールのブラウンのクリーム辺りを使ったかも知れないことを伝えた。
翌日、U氏はの仕事帰りにサフィールのブラウンのワックスを購入し一連のDIY作業の完了報告とともに写真を送ってくれた。(④⑤の写真)
想像を超える完璧な出来に驚いた。
シャンボードは登山靴の木型から作られているタウンシューズ
今までシャンボードはカーフが正統派でそれ以外は邪道。的な見方をしていた。
シャンボードの木型が登山靴の木型から作られていることを知った直後に今回のU氏の一連の作業を見せてもらった今、シャンボード=ヌバックなのではないかと思うようになった。
ヌバックのシャンボードはモカ割れしないようだ。U氏が送ってくれた写真もどれを見ても割れていない。
ジーンズブランド「リゾルト」のデザイナーもピカピカに磨いたヌバックのシャンボード愛用
U氏曰く、ビジネス兼用なのでマメに磨いているが、ヌバックは一度足を入れると直ぐに履きシワの部分の色が変わってしまうのだとか。
モカ割れもしないし、傷が付いても修復できる。一度足を入れると皺の部分の色が変わってしまうのはコードバンも同じ。
某ジーンズデザイナーもヌバックのシャンボードをコードバン級にビカビカに磨いて履いている。綺麗に履きたいならヌバックを選ぶべきなのかもしれない。
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Before After

[写真]左:Before 右:After
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