「何となく良さそう」という理由だけで長い間使っていたM.モゥブレイのデリケートクリーム
ゼリー状のプルプルとした見た目、香り、革靴に塗った後に感じる「何となく革に良さそう」な感覚が得られるクリーム「デリケートクリーム」。略してデリクリ。
デリケートクリームを使う目的
靴磨きをする工程で、「何となく革に良さそう。」なことは、実はとても大切で、靴磨きが好きな人の多くは見た目を良くする(鏡面磨き等ピカピカにする工程)為の「磨きの工程」もさることながら、革をひび割れさせない為の、「何となく革に良さそう。」な事をする「保革の工程」も楽しんでいるのではないかと思います。
[写真]何となく革に良さそうなデリケートクリーム
ワタクシ自身、M社のデリケートクリームを「何となく良さそうだから」という理由で10回近くリピートしました。 正直、効果があるのか無いのかよくわかっていませんでしたが、今思えば、靴磨きの「工程」や「道具」を増やすことによって靴磨きに凝っていると錯覚した自分に酔っていただけだったと思っています。
雑誌やインターネットサイトで見かける「デリケートクリーム」の数々の絶賛記事に洗脳されていた可能性もあります。効果の程が定かでないのに「何となく良さそう」だからと大量に使う。効果もよくわからないまま、無くなったら当たり前のように補充し、使い続けていました。
デリケートクリームの評価
デリケートクリームを、買ってきたばかりの革靴に塗った
革にスーッとしみ込んで、みるみるうちに皮革の潤いが蘇っていく感じがした。新品の靴であったが、長い間、店頭でさらされ皮革そのものが乾燥していたのであろう。
例えるなら、 「水がない砂漠を数日間さまよっていた人が、オアシスで水を見つけてごくごく飲んでいる。」 デリケートクリームは、そんな皮革の生命線みたいな商品なのだ。また、靴だけでなく皮革製品全般に使用でき、使用後の何ともいえないしっとり感はデリケートクリームならではである。
こんな商品説明を見てしばらくの間、デリケートクリームの必要性を信じて疑いませんでした。使っていない今考えると、なんて大げさな商品説明なんだろうと。
デリケートクリームの特徴
上記のサイトによると、デリケートクリーム(M.モゥブレィ)には下記の特徴があるそうです。
- シミにならない → 油分が強くない
- 色落ちが少ない → 中性である
- 衣服に付かない → 表面に蝋分がない
- 素材を引き立てる → 浸透性があり厚塗りにならない
デリケートクリームの保革(=ひび割れ)効果は根拠なし
保革(=ひび割れ)効果もあるのかないのかよくわかっていません。ビジネスが絡んでいる関係でデリケートクリームをやたらと勧めている人は多いですが、革靴に限って言えば、デリケートクリームを塗ってもひび割れは防ぐことはできません。「革に塗ると、すーっと吸い込む」=「保革効果がある(ひび割れしない)」ではありません。
やたらと勧めてくる人は、デリケートクリーム界隈でビジネスを行う人かその関係者、又は凝り始めたばかりの初心者である可能性が非常に高いということを覚えておいてください。
デリケートクリームの主成分は水分。保湿ならダイソーの保湿クリームでも問題無し
[写真]左:モゥブレイ 右:ダイソー
コロニルのディアマント(現:1909シュプリームクリームデラックス)に出会ってからはデリケートクリームを買い足すことはありませんでした。
革に何となく良さそうな感覚はディアマント(現:シュプリームクリームデラックス)で十分。保湿だけならダイソーの保湿クリームでも十分な効果が得られます。上に記載した「デリケートクリームの特徴」をすべて備えているだけでなく、「何となく良さそうな感覚」もデリケートクリームと同程度に得ることができます。
デリケートクリームを使わなくなって数年経過しますが、今のところ何の問題も起きていません。その効果を声高らかに歌い上げている人も多くいるので、もしかしたらわかる人だけにはわかる、使い方次第では効果が大きいレザーメンテナンス用品なのかもしれませんが、
「何となく良さそうだから」という理由だけで使い続けるには高すぎるデリケートクリーム。主成分は水。価格は1,080円(60ml)。
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