【考察】革靴のTPO|「スコッチグレイン」人気モデルで見る革靴のTPO
革靴のTPO間違うことなかれ
エイ出版社から2012年に発売されたムック本 『 別冊2nd vol.9 革靴大図鑑 』。
買ってすぐにパラパラと見ただけでしばらくの間、放置していたのですが、改めてパラパラと見てみると興味深い内容のページ、『革靴のTPO間違うことなかれ。』(P.39)がありました(他にも興味深い内容がてんこ盛りです)。
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contents
TPOとは
TPO
Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合。Opportunityと使われることもある)の頭文字をとって、「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語。この概念の発案者は「VAN」ブランドの創始者・石津謙介である。
引用:wikipedia
ローファー=怠け者(なまけもの)の意味
ノルウェーの猟師の靴が源流の「ローファー」は「怠け者(なまけもの)」の意味なのだそう。
確かに「何でも合理的に」という名のめんどくさがり屋のおっさんの多くが選ぶ革靴は「ローファー(餃子靴)」が多い。そして、ウイングチップ等に配されるメダリオン(穴飾り)は元々、水はけを良くする為の意匠(デザイン)。雨の日に履くべきはゴム底のUチップよりも、ゴム底のウイングチップなのかなぁなんて思ったりしました。
スコッチグレインで見る革靴のモデル別フォーマル度
以下はビジネスシーンで履けるとされている7タイプ(すべてスコッチグレイン)。フォーマル度は下に行くほど下がります。
ストレートチップ
フォーマル度 ★★★★★
トゥキャップの切り替えが真一文字に入り、その端正な表情がエレガント&スマートな印象を醸し出す。内羽根式で黒革のストレートチップは、冠婚葬祭の場でもOK。持っておいて損はないオールラウンダーだ。最も高いフォーマル度を誇る。(引用:別冊2nd 革靴大図鑑)フォーマルスタイルのオールラウンダーもカジュアル使用はNG(内羽根式)。
横一文字の縫い目が入った仕様。ビジネススタイルのほか、昼閒の礼装において使われる最高の礼装用の靴。(引用:wikipedia)
プレーントゥ
フォーマル度 ★★★★
1枚革で構成された甲やトゥに飾りが施されない靴の総称。短靴の代表格であり、ビジネス靴の定番。内羽根式を選べばビジネスからフォーマルまで着用可能。ストレートチップとほぼ同じTPOに対応する。(引用:別冊2nd 革靴大図鑑)
接合部や縫い目などがない、一枚皮で作られたもの。ビジネススタイルにおいては非常にしばしば用いられる。内羽根式ならより正装に相応しい。(引用:wikipedia)最も汎用性が高く、唯一の冠婚葬祭オンオフ兼用可能なデザイン(黒ー外羽根式)。
セミブローグ
フォーマル度 ★★★
ストレートチップやプレーントウにブローグ(足の甲部分の穴飾り)で装飾したもの。少しカジュアルになる。(引用:wikipedia)
モンクストラップ
フォーマル度 ★★
バックル留めのストラップで甲を締めるタイプ。アルプス地方の修道士が履いていた靴に端を発する。ヒモ靴よりくだけた印象になり、洒脱なビジネススタイルの演出に最適。ストラップが2本のダブルモンクも。(引用:別冊2nd 革靴大図鑑)
紐ではなく、ベルトで締め付けるもの。一つのベルトで締めるシングルと二のベルトで締めるダブルの二種類がある。ベルトの端にゴムが着いているとベルトを外さなくても脱着しやすくベルトが痛みにくい。(引用:wikipedia)
ウイングチップ(フルブローグ)
フォーマル度 ★★
翼を広げたようなW型の切り替えとメダリオンのある靴。英国で狩猟に使われたシューズが発祥とされるため、カジュアルな印象が強い。弔事には不向きだが、ビジネスやカジュアルなパーティーなら大丈夫。穴飾りは元々水はけを良くする為の意匠(デザイン)。(引用:別冊2nd 革靴大図鑑)
甲部分の飾りが翼状となっているもの。しばしばメダリオン(爪先の穴飾り)が付される。穴飾りが踵まで届く物はロングウィングチップと言う。(引用:wikipedia)
Uチップ
フォーマル度 ★★
トゥにU時型の切り替えやステッチが入る。元々、ゴルフの際に履かれた靴を起源とし、各国の軍隊に広まっていった意匠(デザイン)。機能性や堅牢性を重視して作られることが多く、フォーマル度は高くないとされる。(引用:別冊2nd 革靴大図鑑)

ローファー
フォーマル度 ★
源流はノルウェーの猟師たちの靴。脱ぎ履きが簡単なことから、ローファー(怠け者)という名が定着。スーツのカジュアルダウンに貢献。カジュアルな革靴の代名詞なので、礼服に合わせるのはご遠慮願いたい。(引用:別冊2nd 革靴大図鑑)
紐によらず甲革上部と踵(かかと)で足を固定するデザイン。紐靴に比べ固定は甘く、踵が浮きやすい。開口部は大きくなる。(引用:wikipedia)
革靴のTPO まとめ
ほとんどのオッサンはTPO関係なくローファー(餃子靴)を履いている
[写真]餃子靴「クリスチャンデイビス」 |Amazon
靴バカの人の中には履いている靴で人格まで判断する人もいると聞きます。
しかし、黒で素材が革(人工革含む。スニーカー除く。)であれば、ある程度何でもいいという考えの人がほとんどなのではないかと思います。おっさんの多くは脱ぎ履きしやすく安価であることを理由(推測)にローファー(餃子靴)を履いています。
最低限のマナーはあるが、過度に「TPO」にこだわり過ぎない
革靴のモデルに対する「マニアックな知識」、「独特のルール」や「コダワリ」を持っている人が多くいる革靴の世界。
因みに個人的には、
- ビジネスシーンではセミブローグまで(上で言う星3つ)で色は「黒」かつ「内羽根」
→ それ以外を履いている奴は「チャラい」 - 内羽根のストレートチップをカジュアル(ジーンズ等)に合わせてしまう奴は、「わかっていない奴」
→ 冠婚葬祭でローファーを履くのと同じレベルでわかってない奴
という考えを持っている「自称革靴好き」です(笑)。
ですが、最低限のルールを頭に入れておきながら、「形式」や「ルーツ」に過度こだわらず、自分の好きな靴を履く方が何事も捗る(はかどる)というものではないでしょうか。
世間一般の認識で言うと、「葬儀の際に茶靴」、「度を越えたとんがり靴」等、常識を大きく超えなければいつ何を履いても良いような気がしています。
>「靴磨きの仕上げにもTPOはある」|まだ靴磨きで消耗してるの?|靴磨きをやりすぎることによるデメリット
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Title: Mさん >
Posted by S
古典的、一般的アリナシに関しては某掲示板で討論して下さい。
個人的なアリナシは本文に記載したつもりです。
モンクストラップに関しても持っていないのでわかりませんがローファーで出来るのならゴムが付いている分、脱ぎ履きしやすいのではと思いました。
納得いかない返信だとは思いますが以上です。ありがとうございました。
Title: No title
Posted by M
ついでにもうひとつw。
モンクストラップは持っていないのですが
あの程度のゴムでバックル外さないで脱ぎ履きができるとは思えないんですが。
ローファーでさえ大変なのにw。
Title: No title
Posted by M
仕事でスーツは着ませんが作業着としてのスーツにはウイングチップが似つかわしいかと、黒限定ですがw。
真面目に質問です。
ローファーはカジュアルですがウインドウペーン(グレンチェックでもガンクラブチェックでもいいんですがw)の
スーツも古典的ドレスコードではカジュアルですよね。
だとしたらウインドウペーンのスーツにローファーはありですか?
某掲示板では「スーツにローファーw」とよく言われているのでw。