リーバイス ヴィンテージクロージングの完成度 検証 Part.1
「当時と寸分違わぬ完全な姿での復刻」を命題に1999年にスタートした、LVCこと「Levi's Vintage Clothing」ライン。
芸術品のような美しい色落ちのヴィンテージのリーバイスの価格は数十万円、高いものでは数百万円の値がつきます。ヴィンテージのリーバイスがどれだけ美しくても、高値で取引されてもリーバイス社が潤うことはありません。
潤っているのは、ヴィンテージを取り扱う古着屋、ヴィンテージリーバイスのパロディを製造しているブランド(以下 : レプリカブランド)、というのが現状。
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リーバイスよりもリーバイスの要素が詰まったレプリカブランド
リーバイスもLVCを立ちあげる前からヴィンテージの復刻の製造は行っているものの、その評判は・・・。リーバイスが完成度の低い復刻物を販売し続けている間に誕生した、リーバイスよりもリーバイスの要素が詰まったレプリカブランドが多く誕生し、その人気は確立されてしまいました。
1から(未洗い=リジッド)育てる楽しみを知ったジーンズ好きの多くは、色落ち、その他のディテールでレプリカブランドの方がオリジナルの再現力に長けているとリーバイス以外を選びます。どの時期のどのモデルを見てそう判断したのかは不明ですが、最近では穿いている人が少ないのか、評判すら聞きません。
当時と寸分違わぬ完全な姿での復刻を目指して現在も進化中
リーバイスの現在までの歴史を辿ると、おおよそ5年スパンでモデルチェンジを繰り返しているそうで、「当時と寸分違わぬ完全な姿での復刻」を目指し、現在も進化を続けているようです。
「501-0003(1997年 バレンシア工場製)」と「50155-0116(2012年製)」を比較
先日、現在穿き込み真っ最中の50155-0116(2012年製)とは別に、LVCがスタートした1999年の2年前、1997年に製造された1955年モデルの復刻「Levi's® 501-0003」を入手しました。
ベルトループの比較
[写真]上:501-0003(1997年製) 下:50155-0116(2012年製)
紙パッチの比較
[写真]上:501-0003(1997年製) 下:50155-0116(2012年製)
バックポケットの比較
[写真]左:501-0003(1997年製) 右:50155-0116(2012年製)
セルビッジの比較
[写真]上:50155-0116(2012年製) 下:501-0003(1997年製)
2012年製は「赤耳」の糸が赤過ぎ、1997年製は「セルビッジ」が太すぎる。
フロント部分の比較
[写真]左:501-0003(1997年製) 右:50155-0116(2012年製)
「1997年 バレンシア工場製」の縦落ち
[写真]501-0003(1997年製)のまばらな縦落ち
「1997年 バレンシア工場製」の「サイドシーム(セルビッジ)」の色落ち
[写真]501-0003(1997年製)のセルビッジのアタリ
ジーンズ通が好むキャタピラーのような色落ちはしていない。
501-0003(1997年 バレンシア工場製)まとめ「当時と寸分違わぬ完全な姿での復刻」とは程遠い完成度
この1997年製の501-0003は、今は無きバレンシア工場で製造された比較的色落ちがよいとされているモデルのようです。
命題を課す前のものなので当然と言えば当然ですが、一目で復刻とわかる「当時と寸分違わぬ完全な姿での復刻」とは程遠い出来だと感じました。2012年製の色落ちが進んでいない為、色落ちの比較はできませんが、並べて見てみると、ポケットのサイズやセルビッジの幅等の細かい部分はオリジナルに近くなっているように感じます。
最終的に現在穿き込み中の50155-0116と同年代のオリジナルのヴィンテージとを比較して「当時と寸分違わぬ完全な姿での復刻」の命題がクリアできているのか確認したいと思っています。
ちなみに「バレンシア工場製 501-0003」は、ヤフオクでは新品(デッドストック)の状態で10万円前後の価格で取引されているようです。
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