【財布】コードバンとは?|キングオブレザーコードバンの特徴と魅力、傷や雨染みの消し方等
コードバンは本当にキングオブレザーなのか
コードバンと言えば、馬の臀部(でんぶ=尻)を使った革のこと。
繊維が緻密(ちみつ=きめが細かい)なコードバン層と呼ばれる部分を取り出し、磨き上げて作られること、さらには採れる量が極端に少ない為に価格が高いことから「キングオブレザー」、「革のダイヤモンド」と呼ばれています。
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日本で唯一、コードバンを生産できる世界屈指の馬革タンナー、「新喜皮革(しんきひかく)」では、原皮を輸入してからコードバン皮革として完成するまでに10ヶ月もの期間を要するのだそうです。
希少性があり、10ヶ月もの期間をかけて作り上げられる故に価格が高い、革のダイヤモンドは、本当にキングオブレザーと呼ぶにふさわしい素材なのでしょうか。
そんな疑問を、所有するコードバン製品の中で最も使用歴が長く、使用頻度が高い「財布」を使った感想を交えて機能の面から考えてみたいと思います。
コードバンとは?
コードバン(cordovan)は、農耕用馬の臀部から採れる皮革。主に革靴や鞄、財布などに使用され、昨今では小物用素材としても普及している。臀部以外の比較的柔らかい部分は靴の内革に多く使用される。
コードバンの耐久性
革製品の質を語るうえで、耐久性というのは最も重要なポイントだと言ってもよいのではないかと思います。
これまで使ってきた革製品、財布以外では、靴、名刺入れ、ベルトに関して使ってきたものはほとんどが牛革でした。 靴やベルトは数足(本)を使いまわすのが一般的で、毎日同じ物を使うという意味で、使用頻度が高い革製品は財布ということになります。
中学生頃まではナイロン素材の財布を使用していましたが、それ以降は、革製の財布を使っています。
これまでナイロン素材時代を含め、二つ折のタイプしか使ったことがないのですが、ある程度の期間使っていると開閉の際に屈折する部分がひび割れてきて、見た目が悪くなり買い換えるというパターンでした。
コードバンはひび割れしない
その周期は長くても3年。
現在使用しているコードバンの財布はすでに使用開始から7年が経過しています。
コードバンは革の裏側が表面(表側)に使われるので、ひび割れはし難い素材だと言われています。今のところ、屈折部分はひび割れどころか皺ひとつありません。コードバンはひび割れることがありません。

[写真]コードバンの財布の屈折部分
コードバンの財布は「けつポケ(財布)」にしても型崩れし難い
財布を右後ろのポケットに入れる(通称:けつポケ)習慣があるのですが、座っている時に最も体重が掛かっている部分(けつ)に財布を入れていると、当然財布は型崩れをしてしまいます。 革のダイヤモンドであるコードバンの財布であっても避けることはできません。
しかし、牛革の財布と比べると明らかに型崩れし難いことを実感しています。これには牛革の3倍から5倍と言われるコードバンの繊維の配列密度が関係しているのだそうです。
過去に、goro's(ゴローズ)の牛革財布を3年近く使っていたのですが、型崩れは相当なものでした。(goro'sの革製品を否定するつもりは毛頭ございません。)
コードバンの艶と雨(水)染み

[写真]7年間使用しているコードバンの財布
透明感のある独特の艶
新品の時は牛革と見た目同じ雰囲気ですが、使っていくうちに牛革とは全く違うコードバン特有の艶を放ち始めます。手入れをしなくてもある程度美しい艶を保ち続けてくれますが、専用のクリームを使って手入れをすると、さらに美しい透明感のある輝きを放ちます。
使っていくうちに一言では言い表すことができない美しい色艶に変わっていき、年々深みが増していきます。コードバンのエイジングに魅了されている人が多いのも頷けます。
コードバンは雨に弱い
独特の美しい艶が特徴のコードバンには、水(雨)に弱いという致命的な欠点があります。
水に触れると一瞬にして水ぶくれができてしまいます。靴のように雨に晒される機会は多くなくとも、雨が降っている時に傘を持っていない状態で財布を取り出すと、瞬く間に水染みが出来てしまいます。
牛革も決して雨に強い素材であるとは言うことはできませんが、水染みに関してはコードバン程弱くはありません。
手入れをすることで雨(水)染みを消すことはできますが、濡れた場合の手入れは牛革よりも手間がかかります。雨の日のコードバンの取り扱いには注意が必要です。
コードバンは傷に強い(多少の傷なら消せる)

[写真]コードバンの財布に入ったひっかき傷
コードバンであるかに係わらず、財布は使っていたらいつの間にか爪等でひっかき傷が入っていたなんてことはよくあります。コードバン素材のものであれば簡単に消すことができます。
コードバンの傷の消し方
コードバンの傷消しに使うもの
傷を押しつぶす為に先端が丸く硬い棒が必要なのですが、「かっさ棒」という水牛の角でできたマッサージ棒が便利で使っています。先端が丸くて硬いものであれば何でもOK。
乾拭き用の布はダイソーで購入できる「あかすりミトン」を使っていますが通常の布でもOKです。靴用クリームは無色の物を使用します。
『 かっさ棒 』を探す
コードバンの傷消しの手順
手順1.棒の先端に靴クリームをとる
[写真]手順1.棒の先端に靴クリームをとる
手順2.棒の先端で傷とその周辺を押しつぶすように擦る
[写真]手順2.棒の先端で傷とその周辺を押しつぶすように擦る
手順3.靴クリームを拭き取る
[写真]手順3.靴クリームを拭き取る
傷消し後の写真

[写真]傷消し処理後
Before After

[写真]左:Before 右:After
簡単に傷を消すことができる=傷に強いのもコードバンの魅力です。
かっさ棒を使ったコードバンの傷の消し方( Youtube動画)
コードバンをキングオブレザーと呼んでもいいのか
財布を例に挙げたコードバン素材の特徴(メリット)は、革小物全般、例えば名刺入れ、手帳カバー、ベルト等に共通するメリットと言えます。
唯一の欠点である雨(水)に弱いというデメリットは、靴であれば考慮しなければなりませんが、雨が降る日に傘を持たずに出かけることなどほとんどないので、革小物に関して言えば欠点と考えなくてもよいと思います。
コードバンのメリット
- 耐久性が高い(ひび割れしない、型崩れしない)
- 独特の美しい光沢
- 傷に強い(多少の傷なら消せる)
コードバンのデメリット
- 水に弱い(水ぶくれになる)
牛革には牛革のコードバンとは違った魅力や特徴がありますが、先に述べた高い耐久性、独特の美しい艶といった特徴からわかるように革小物の素材としてコードバンは牛革よりも明らかに優れており、キングオブレザーの名に相応しい素材であると言うことができます。コードバン製品を使われたことが無い方はぜひ1度使ってみて下さい。
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Post a Comment.
Title: yusukeeさん 〉
Posted by S
コードバンの財布でオススメをとのことですが、2つ(のブランド)しか使ったことがない(うち1つは現存しないブランド)です。
もう1つは現在も使っているキプリスの財布です。可もなく不可もなくという感じですが、他のブランドと比べて低価格の割にという意味で一応オススメしておきます。
Title: Re: コードバンとは|希少性があるキングオブレザーは傷と雨に弱い
Posted by yusukee
コードバンでおすすめの財布がありましたら教えてください。
Title: kanさん >
Posted by S
本当に一生使えるのではと思ってしまうほど型崩れはしません。
風水的には財布は定期的に変えた方がいいとかいう話もあるようですがコードバンの財布を使っているとなかなか買い替えのタイミングが難しいです。
爪の傷の件はよくわかります。
Title: Tさん >
Posted by S
少し古いですが、「川島なおみのワイン」、「家電芸人の家電」、「カリスマのコードヴァン」だと思っています。
本当にそんなに好きなの?と言う意味で。
コードバンの靴に魅力は感じていませんが、オールデンは一度は買わないといけないと思ってます。
ですがワタクシの場合、貧乏性ではなく、貧乏なでのかなり先の話になりそうです(半泣き)。
Title:
Posted by kan
いつも拝見しています!
私もコードバンの財布を使用しています。まだ2ヶ月程度ですが。私は早くエイジングをさせたくあえてケツポケしているのですが、全然型くづれしません!靴のようにピッカピカに磨くのですが、やはり手で触れるものなので、すぐくすんできちゃいますね(^^)たまに爪で傷をつけてしますのですが、それもまたなんだか嬉しいです笑
Title:
Posted by T
カリスマのようにコードバンの家に住みたいとは思いませんが、非常に優れた素材であることは否定できませんね。
はたして雨染みができるコードバンのクツが至高なのでしょうか。貧乏性の私にはいまいち諸手を上げて賛成はできません。
また、コメントさせてもらいます。