トゥスチール(ヴィンテージスチール)をつま先に装着=革靴の履きおろしの儀式?
愛読しているブログ「Mのブツ欲日記」の著者であるM氏。
革靴好きとして有名な氏は過去にトゥ(ヴィンテージ)スチールについてこう謳(うた)っています。
“新しく 靴を買ったら ヴィンテージスチール(字余り)”
言いたいことしては、「革底の靴を購入したらすぐに履きたい気持ちをグッと押さえて、まずはつま先(の削れ)を保護する為にスチールのプレート(ヴィンテージスチール)を靴底のつま先に取り付けて貰いましょう。」ということだと思うのですが、多くの人はM氏と同じような考えなのではないかと思います。
ワタクシも革靴初心者の頃は新しく靴を買った場合、やはりヴィンテージスチール(トゥスチール)を取り付けてもらっていました。
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実は、爪先にトゥスチール(ヴィンテージスチール)を装着する行為は、歩く度に床を傷つける非紳士的行為
高級紳士靴を買ったのだからガンガンガシガシ履きたい。
でもなるべくなら消耗させずに長く履きたい。つま先を保護するためにトゥスチール(ヴィンテージスチール)を装着。見た目もなんとなくかっこいい。はじめのうちはコツコツという金属音も心地よく感じていました。
自分の靴のつま先は保護されるが地面(床)は傷付く
確かにつま先は保護され、つま先の減りを気にする必要はなくなります。
しかし、同時に歩く度に床を傷つけていることに気付きます。「カチカチ」、「コツコツ」という足音(金属音)も徐々に不快に感じるように。音に関しては好みの問題で片付けられるかもしれませんが、床を傷つけてしまう行為は好みの問題では済みません。
自分の事(自分の靴の事)だけを考えた、非紳士的行為なのではないか。自分の靴の鏡面磨きを施したつま先のちょっとしたスレは気にするけど他人所有の建物の床のスレや傷は気にしない。これで本当に紳士と呼べるのでしょうか。
電車やバスの中で他人の革靴を傷付けている可能性も
電車やバス等、通勤ラッシュ時にバランスを崩して足を動かした際に他人の大切な靴を傷つけてしまう可能性もあります。
ある程度履いて削れたつま先のスチールは刃物とまではいきませんが、革製品程度であれば簡単に傷をつけるくらいには尖ってしまいます。自分の革靴のちょっとしたスレは気にするけど・・・以下略。
クロケット&ジョーンズのコノートのオールソールを実施
つま先保護はトゥスチール(ヴィンテージスチール)ではなく床(地面)に優しいゴム素材にしました
先日、クロケット&ジョーンズのコノートのソール交換をしたのですが、上記の理由により、つま先の補強をゴムにしました。
歩いている時に発している足音、自分が歩いた後の地面(床)のことまで気がまわらなかった自分を、トゥスチール(ヴィンテージスチール)が発するコツコツという金属音を鳴らしてドヤっていた自分を今となっては恥ずかしく思います。
革靴にトゥスチール(ヴィンテージスチール)は不要
履き始めつま先の返りが悪いので、つま先が削れやすいというのは事実としてあると思います。
しかし、履き始める前に返りクセをつける等、対策はヴィンテージスチール(金属プレート)装着だけではありません。ゴム製のチップを取り付けることもできるし、ある程度削れてきてからつま先のみをゴム、レザーで張り替えることもできます。難しいことではありません。
つま先が削れないので、(自分の)靴が長持ちする、新品の時に付けた方が作業の価格が安い、等と自称靴好きの人はドヤ顔で語ります。今一度、トゥスチールを取り付けたつま先、自らつけた足跡をよく見てみて下さい。自分の(靴の)ことしか考えられないような人のことを紳士とは言いませんよね。非紳士的行為=マナー違反であると考えています。
ちなみにこちらも非紳士的行為に該当します
> 続き「トゥスチール同様、歩く度に床を傷つける「化粧釘(飾り釘)」考」