【考察】顔料仕上げ(染め)のコードバン製品は買わないほうが良い

顔料仕上げのコードバン製品は本当に良い革製品なのか?
普段愛用している革製品のほとんどがコードバン素材です。
靴こそ1足しか所有していませんが、財布、小銭入れ、名刺入れ、手帳カバー、ベルト、すべてコードバンで揃えています。
コードバン製品を選ぶ時のポイントは一つ、色が黒であること。
もちろんデザインや、ブランド、価格等も考慮しますが、コードバンで色が黒であればある程度なんでもいい。
そう思っていました。
ですが最近、コードバン製品の中でも選んではいけないものがあるということに気が付きました。
顔料仕上げ(染め)のコードバンです。
顔料仕上げ(塗料仕上げ)
革の仕上げにおいて着色剤として顔料を主に使用する仕上げ方法。
アニリン仕上げ(染料仕上げ)、セミアニリン仕上げとの対比として用いられる用語である。仕上げ用の下地に軽い損傷があったり、色が不均一であったり、不ぞろいな下地を利用する場合において、顔料の隠ぺい力と堅ろう度によってその欠点を隠すための仕上げ方法。ペーパーバフにより銀面を均一にしてからこの手法を用いる場合もある。多量の顔料を使用することができる合成樹脂仕上げ剤を配合し、塗料膜に強度を持たせる配慮が必要である。日光堅ろう度の高い仕上げを得ることができる。引用 : 皮革用語辞典
コードバンには仕上げの種類によって、大きく分けて
- 顔料仕上げ(染め)
- 水染め
- オイル染め
の3種類があり、その他にも蝋引きコードバン、ナチュラルコードバン等があるそうです。
顔料仕上げ(染め)の特徴としては、ペンキで表面を塗ったように全体的に均一な印象になり、造られたような艶があります。耐水性があり紫外線等にも強いそうです。
染料仕上げ(アニリン仕上げ=水染め)
染色した革に顔料を含まず、合成染料と主にタンパク系のバインダーからなる塗料を用いて、染色した革を仕上げる。透明感のある塗膜であるため、革本来の銀面の特長が生かされるので傷のない高品質の生地に適用される。この方法で仕上げた革をアニリン革と呼ぶ。塗膜の耐久性がやや低く、取り扱いに注意が必要である。
引用 : 皮革用語辞典
5年超使用した染料仕上げのコードバンのベルト
トップと下2枚の写真は、5年以上使ったコードバンのベルト(BEAMS製)の写真です。
このベルトはプレゼントとしてもらった物なのですが、顔料仕上げ(染め)ではなく、染料仕上げのようです。現在では仕事用のベルトとしては使っていませんが、スーツに合わせてほぼ毎日使用していました。


今まで使ってきたベルトの中でダントツで長持ちしました。ただ長持ちするだけでなく、たまの手入れで良い状態を保ちながらも徐々に艶が増く。コードバン製品に魅了されていきました。(靴、名刺入れ、手帳カバー等、次々とコードバン素材のもの入手していきました。)
5年の使用後、スーツに合わせるにはさすがに厳しい見た目になってきたので、買い替えようと思ったときにも当然コードバン素材で探しました。近隣のセレクトショップ他を回ったのですが、ことごとくマイサイズが欠品で入荷の予定も未定、という状態。
半ば諦めかけていたのですが、某百貨店の革(小物)製品を取り扱う店舗で独特な艶を放つベルトを見つけました。
裏側を見ると「CORDOVAN」の文字。


切って使うタイプのフリーサイズ。しかし、今まで使っていたBEAMSのコードバンベルトと比べて明らかに見た目が違うので、店員に本当にコードバン製品なのかを鼻息荒く聞いてみたところ、コードバン製品で間違いない、仕上げが違うのではないかとの回答。即購入しました。価格は15,000円税抜きでした。
仕上げに違いがあってもコードバンなら大丈夫だろうと購入したわけなんですが、1年半使ってみて大きな違いがあることに気が付きました。
1年半使用後の顔料仕上げ(染め)コードバンベルトの写真

1年半使用後の顔料仕上げ(染め)コードバンベルトの断面写真(クリックで拡大)

1年半使用後の顔料仕上げ(染め)コードバンベルトの写真1

[写真1]顔料仕上げ独特のペンキで塗ったような艶
1年半使用後の顔料仕上げ(染め)コードバンベルトの写真2

[写真2]ベルト穴付近の割れ
1年半使用後の顔料仕上げ(染め)コードバンベルトの写真3

[写真3]非コードバン層とコバ周辺
顔料仕上げのコードバンベルトは買わない方がいい
透明感こそありませんが、手入れ不要なのに艶があり[写真1]、ベルトとして普通に使う分には悪くない。始めのうちはそう思っていました。
しかし、負荷のかかるベルト穴付近は顔料で塗り固められた層がすぐにひび割れていきました。[写真2]
さらに着用した時に腰(背面)の部分の非コードバン層は水ぶくれのようになり、コバ付近も随所に割れて素の色が出てきました。[写真3]
顔料仕上げ(染め)とは言っても染めているのではなく、塗って表面をコーティングしているだけの粗悪なものでした。使う度に劣化してき、そのスパンも短い。素材はコードバンであってもその特徴を全く活かせていない、買ってはいけない商品でした。ベルトとしては決して安くはない価格(15,000円)。長い間使えると思ってコードバンを選んだのですが、2年も持ちませんでした。
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Title: No name
Posted by S
> コードバン層の厚みだけで一枚革のベルトは作れませんし長さもメガネでさえ間に合いませんから継ぎがあり張り合わせがないコードバンベルトなんてあ> りえませんよ。
> 耐久性重視ならブライドルレザーにすればいいのでは?
> コードバンを使うならドレスアップ用で毎日使わない方がいいです
> 特に汗をかく季節にはよくありません
> 銀面が無くて水濡れに弱いからです
アドバイスありがとうございます。
参考にさせていただきます。
Title:
Posted by No name
コードバン層の厚みだけで一枚革のベルトは作れませんし長さもメガネでさえ間に合いませんから継ぎがあり張り合わせがないコードバンベルトなんてありえませんよ。
耐久性重視ならブライドルレザーにすればいいのでは?
コードバンを使うならドレスアップ用で毎日使わない方がいいです
特に汗をかく季節にはよくありません
銀面が無くて水濡れに弱いからです
Title: Re: Re: Sの「顔料染めのコードバン製品」考
Posted by S
そうみたいですね。
> コードバンに限らず顔料使いの革なんてそんなもんでしょ
Title: Re: Sの「顔料染めのコードバン製品」考
Posted by No name
m並みにセンスないな。
Title: Re: Sの「顔料染めのコードバン製品」考
Posted by No name
コードバンに限らず顔料使いの革なんてそんなもんでしょ