月に1回行う靴磨き(フルメンテナンス)の手順|チャーチ コンサル 靴磨き
[写真]2年間愛用のチャーチ コンサル
月に1度行う靴磨き(革靴の手入れ)の手順
チャーチ コンサルを購入、履き始めて約2年が経過しました。
週に1回~2回、月に4回〜8回程度履いています。
履いた後の手入れは主にブラッシングのみですが、1ヶ月~2ヶ月に1度、8回~10回程度履いた後くらいでしっかりとした手入れをしています。
今回は、1ヶ月~2ヶ月に1度程度のペースで行う、「しっかりとした靴磨き(手入れ)」の手順を、使っている道具と共に書き記します。ご覧下さい。
靴磨きに使う道具
- 豚毛ブラシ(砂埃除去用)
- リグロイン(Amazon)
- 馬油ハンドクリーム(ダイソー)
- ペネトレイトブラシ(ダイソー)
- あかすりミトン (ダイソー)
- 靴クリーム EGビースリッチクリーム(Amazon)
- 豚毛ブラシ(靴クリーム馴染ませ用)
- 缶入りワックス SNミラーグロス(Amazon)
- 山羊毛ブラシ 鏡面磨き仕上げ用(Amzon)
1~2ヶ月に1度行う靴磨きの手順
靴磨きの手順1 靴紐を外す
[手順1]靴紐を外す
靴の中、タン、羽根の裏側も手入れできるように紐を外します。
この時、外した紐を指で触って切れそうになっている部分がないかのチェックもします。切れそうになっていたら新しいものと交換しますが、この時は大丈夫でした。靴磨きの手順2 木製シューツリーを入れる
[手順2]木製シューツリーを入れる
シューツリーを入れます。
皺が伸びている状態で手入れできるように靴の奥までしっかりと押し込みます。当然ですが、靴に合った形、サイズのシューツリーを選ぶ必要があります。汎用性があり価格も安い「Collonil コロニル アロマティックシダーシューツリー(Amazon)」がオススメです。
ここからは違いをわかりやすくする目的で左足のみ手入れしていきます。
靴磨きの手順3 表面に付いた砂・泥・塵等を豚毛ブラシで落とす
[手順3]豚毛ブラシで砂・泥・塵等を落とす
ほこりを落とすだけなら毛の柔らかい「馬毛ブラシ」の方がよいのかも知れませんが、砂や泥、表面に付いた汚れを落とす目的で毛が硬めの「豚毛ブラシ」を使っています。(馬毛ブラシは持っていません。)コバの部分や羽根の裏、タン、全体をしっかりとブラッシングします。
ここで使っている豚毛ブラシはかれこれ7~8年使っている、「 コロンブスのハリスブラシ 」です。
低価格なのに毛の密度が高く、しっかりとしたコシがあって埃を取り除いたり、クリームを伸ばしたりするのにとても使いやすいオススメのブラシです。靴磨きの手順4 汚れ・劣化したクリーム等をリグロインで落とす
[手順4]リグロインで古いクリーム等を落とす
クリーナーを使って汚れと共にワックス、クリームも落とします。
クリーナーはリグロイン(Amazon)という溶剤を使っています。布にリグロインを少量付けて軽く擦る感じで靴全体をすっぴん状態にしていきます。
リグロインをクリーナーに使うと革に悪そうに感じる方もいるかもしれません。この靴だけでなく他の靴にも5年以上使っていますが、特に問題は起きていません。
強く擦りすぎると色が落ちたり、銀面が削れたりするのかもしれませんが優しく擦ればそのような事は起こりませんし、短時間で汚れと劣化したクリーム・ワックスをキッチリ落とすことができますので一般的な革靴用クリーナーよりも革に優しいのではないかと考えています。(※使用の際は自己責任でお願いします。)リグロインはハンドラップ(Amazon)に入れ替えて使っています。
アズワンのハンドラップは揮発性の高い液体を入れても揮発を防ぐことができます。布に付ける量を調節できるので非常に便利です。靴磨きの手順4-2 リグロイン使用後
[写真右]リグロイン使用後
リグロイン使用後、少し白っぽくなっています。
ワックスやクリームの成分が残っていない、すっぴん状態です。すっぴん状態になった事を確認して次の工程に移ります。
靴磨きの手順5 馬油ハンドクリームを塗る
[写真]ダイソー馬油ハンドクリーム
[写真]ダイソーのペネトレイトブラシと馬油ハンドクリーム
ダイソーの馬油ハンドクリームをダイソーのペネトレイトブラシを使って塗っていきます。
保革目的(ひび割れ防止)で多くのメーカーのデリケートクリーム他を使ってきましたが、このダイソーの馬油ハンドクリームに落ち着きました。価格(100円税抜き)のこともありますが、保革効果だけを考えても群を抜いています。革にもお財布にも優しいクリームです。
写真の通り片足で小豆2粒分くらいの量を塗り込みます。馬油ハンドクリームを塗る為の専用のペネトレイトブラシを使っています(ダイソー)。
毎回ではありませんが、靴の内側の摩擦が多い部分(踵や小指が当たる部分)にも塗ります。
靴磨きの手順5-2 馬油ハンドクリームを塗った直後
[写真右]馬油ハンドクリームを塗った直後
馬油ハンドクリームを塗った直後の写真です。
この後しばらく放置します。(馬油ハンドクリームを使う際のポイント)その時によって変わりますが、この日は丸一日、24時間放置しました。ある程度の時間を空けないと水分が多い為か、次の磨きの工程で艶が出ません。靴磨きの手順6 馬油ハンドクリームを塗った24時間後
[写真右]馬油ハンドクリームを塗って24時間後
見た目は変わりませんが、24時間後です。
靴磨きの手順7 あかすりミトンで馬油ハンドクリームを拭き取る
[写真]ダイソーのあかすりミトン
ダイソーのあかすりミトンで表面に残った余分な馬油クリームを拭き取ります。表面がザラザラしているあかすりミトンを使うことで余分なクリームを残さず拭き取ることができます。
靴磨きの手順7-2 あかすりミトンで馬油ハンドクリームを拭き取る
[手順7]あかすりミトンで馬油ハンドクリームを拭き取る
ここで手を抜くと磨きの工程で艶がでないのでしっかりと拭き取ります。
靴磨きの手順7-3 あかすりミトンで馬油ハンドクリームを拭き取った後
[写真右]あかすりミトンで馬油ハンドクリームを拭き取った後
馬油ハンドクリームは保革(ひび割れ防止)目的で、艶は全く出ませんが「しっとり」&「もっちり」としています。
靴磨きの手順8 靴クリーム(シュークリーム)を塗る
[手順8]靴クリーム(シュークリーム)を塗る
靴クリームを塗ります。どのクリームよりも濃く、早く光るコストパフォーマンスもよい最高の靴クリーム「イングリッシュギルド ビーズリッチクリーム(Amazon)」を使います。
ブラックとナチュラルの二色をその時の気分によって選んで使っています。通常はナチュラル(無色)を使いますが、より黒くしたい時にブラックを使います。この日はナチュラル(無色)を使いました。
靴磨きの手順8-2 靴クリーム(シュークリーム)を塗る
[手順8]イングリッシュギルド ビーズリッチクリームを塗る
ペネトレイトブラシでイングリッシュギルド ビーズリッチクリームを塗っていきます。
写真は片足分です。馬油ハンドクリームを塗った時のものとは別の、靴クリーム専用のペネトレイトブラシを使っています。皺の部分、コバの部分、全体に丁寧に塗り込んでいきます。靴磨きの手順9 豚毛ブラシでクリームを馴染ませる
[手順9]クリームを馴染ませる
ペネトレイトブラシでしっかりと靴クリームを馴染ませた後、時間を置かずに豚毛ブラシを使ってさらに馴染ませていきます。手順3で使用した豚毛ブラシとは別のブラシを使います。
因みに最近手に入れた、江戸屋の豚毛ブラシです。まだ使い始めたばかりなのですが、さすがの使い心地です。
靴磨きの手順10 あかすりミトンで余分なクリームを拭き取る
[手順10]あかすりミトンで余分なクリームを拭き取る
あかすりミトンで余分なクリームを拭き取ります。
馬油ハンドクリームを拭き取る時に使ったものとは別の物を使います。余分なクリームをしっかりと拭き取ることでより艶が出るだけでなく、外で履いた時に埃や砂が付着し難くなります。これで一通りの手入れは完了です。
【写真】手入れBefore After
[写真左]Before(未手入れ) [写真右]After(手入れ後)
【写真】手入れBefore After②
[写真左]Before(未手入れ) [写真右]After(手入れ後)
【写真】手入れ前
[写真]手入れ前
【写真】手入れ後
[写真]手入れ後
最後の仕上げに爪先と踵に鏡面磨きを施します。
靴磨きの手順11 ワックスと水を使って爪先に鏡面磨きを施す
[写真]鏡面磨きに必要な道具
鏡面磨きに使う道具
- サフィールノワール ミラーグロス(Amazon)
- 水
- 布(Tシャツの切れ端等)
割れにくい靴の鏡面磨きの方法(Youtube動画)
鏡面磨きの詳しい方法については動画をご覧ください。ワックスを布に馴染ませる際に紙を使うという珍しい方法が紹介されています。(4:26~)
靴磨きの手順11-2 ワックスと水を使って爪先に鏡面磨きを施す
[写真右]鏡面磨き施工後
鏡面磨きと言っても写真の通り、顔が写り込むレベルまでは程遠いレベルですが、好みの問題でこの程度にしています。「ろうそく」を使った鏡面磨きの方法を別記事で紹介しています。
靴磨きの手順12 山羊毛ブラシで全体をブラッシングして艶を出す
[写真]レデッカーの山羊毛ブラシ(Amazon)
靴磨きの手順12-2 山羊毛ブラシで全体をブラッシングして艶を出す
[手順12]山羊毛ブラシで全体をブラッシングして艶を出す
鏡面磨きを施したつま先だけでなく、全体をブラッシングします。
使い込んだ山羊毛ブラシを使うと、靴全体が濡れたような艶に包まれます。靴磨きの手順12-3 山羊毛ブラシで全体をブラッシングして艶を出した後
[写真右側]手入れ後
靴磨きの手順12-4 山羊毛ブラシで全体をブラッシングして艶を出した後
[写真左側]手入れ後
今回はしませんでしたが、時間がある時や気分が乗っている時などは踵にも鏡面磨きを施します。
コバの部分にも靴クリームを塗っているので、手入れ前(写真右側:右足)と比べると綺麗になっています。手順13 靴紐を通して完了
[写真]両足とも手順1~13を終えた後
両足磨いて靴紐を装着して完了です。
作業時間は片足15分〜20分くらい(馬油ハンドクリームを馴染ませる為の放置期間除く)です。
靴磨きの手順 全工程終了後 Before After
[写真]左:Before 右:After
この他に雨の日に履いた場合には革底(レザーソール)にオイルを塗り、コバが荒れてきた時には紙やすりで表面を薄く削ってコバインクを塗ることもありますが、月1のルーティーンとしては上記手順1〜13だけです。 革はとても良い状態を保っています。
手順や使用している道具についてアドバイスやクレーム等がありましたら、コメント欄からお願いします。
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Post a Comment.
Title: Qさん >
Posted by S
馬油ではなく馬油入りハンドクリームです。
実際に長い間使っていたモゥブレイ社のデリケートクリームより使用後の革の状態が良くなり、価格も安いのでかれこれ5年以上は使っています。
オススメですよ。
クラックに関しては何をやってもいずれは出来てしまうものだと思っているので深く考えないようにしています。
> 馬油ですか、ダイソーでこんなのも売られているんですね。
> 所謂レザーローション的な使い方ができるようですね。
> 今度ダイソーで探してみます。
> 通常、乳化性クリームを使うのは油分の補給と、補色だと思いますので、馬油でコンディションを作ってワックス分の多いイングリッシュギルドを使えば、確かに用は足りてしまいますね。なかなか良い考え方だと思います。勉強になりました。
> 私も最近、馬油ではないですがレザーコンディショナーを浸透させてからの乾燥→乳化性クリーム薄塗り→ワックス薄塗り→ブラッシングという流れになってきました。
> 革がモチモチになってきて、クラック防止にもなっているかなと。
Title: Re: 月に1度の革靴の手入れ|チャーチ コンサルの【靴磨き】
Posted by Q
馬油ですか、ダイソーでこんなのも売られているんですね。
所謂レザーローション的な使い方ができるようですね。
今度ダイソーで探してみます。
通常、乳化性クリームを使うのは油分の補給と、補色だと思いますので、馬油でコンディションを作ってワックス分の多いイングリッシュギルドを使えば、確かに用は足りてしまいますね。なかなか良い考え方だと思います。勉強になりました。
私も最近、馬油ではないですがレザーコンディショナーを浸透させてからの乾燥→乳化性クリーム薄塗り→ワックス薄塗り→ブラッシングという流れになってきました。
革がモチモチになってきて、クラック防止にもなっているかなと。
Title: S川さん 〉
Posted by S
ご利用ありがとうございます。
過去に書いた内容と矛盾しているかもしれませんが、実はまだコンサルは洗っておりません。
今年の盆辺りを予定しております。
Title: Re: 月に1度のメンテナンス(割としっかりとした手入れ)|チャーチ コンサル靴磨き
Posted by S川
いつも楽しく拝見しながら参考にさせていただいております。
ふと思ったのですがコンサルは水洗いされないのですか?
Title: リグロインを使う理由
Posted by S
ワタクシがリグロインを使う理由はズバリ、早いからです。
いかに時間をかけずにキッチリと手入れをするかということを考えた結果、今はリグロインを使っています。
より短い時間でスッピン状態になるからです。
Title: Re: 月に1度のメンテナンス(割としっかりとした手入れ)|チャーチ コンサル靴磨き
Posted by No name
こんにちは。
以前、「リグロインの使用法にも触れてほしい」と他の記事にコメントさせて頂いた者です。今回の記事で、リグロインの使い方、大変よく分かりました。ありがとうございます。
様々なシューケアメーカーから、ステインリムーバー等のクリーナーが販売されておりますが、S様がリグロインをお使いになられている大きな理由は何でしょうか。(洗浄力、価格など…) 私は、何分シューケアについて初心者ですので、リグロインを買うかステインリムーバーを買うか、迷っております。お時間のある時で構いませんので、アドバイス頂戴したい所存です。
Title: koipopoさん 〉
Posted by S
〉一つひとつ丁寧でわかりやすかったです。
〉かなり参考になりました。
ありがとうございます。
丁寧に書いた甲斐がありました。
Title: Re: 月に1度のメンテナンス(割としっかりとした手入れ)|チャーチ コンサル靴磨き
Posted by koipopo
一つひとつ丁寧でわかりやすかったです。
かなり参考になりました。
Title: Nさん >
Posted by S
コメントありがとうございます。
またお願いします。
Title: Re: 月に1度のメンテナンス(割としっかりとした手入れ)|チャーチ コンサル靴磨き
Posted by N
いつも楽しく拝見しています。ルーティーンとして行っていらっしゃる靴の手入れ、大変参考になりました。馬油クリーム、真似してみたいと思います。
アドバイスもクレームも畏れ多くて出来ませんが、1日2回の更新を楽しみにしておりますので、よろしくお願いします。