【リペア】自動車の擦り傷用のパテを使って革靴のえぐれ傷をDIYでリペア

[写真]数年前にブロの修理屋にリペアしてもらった時のえぐれ傷
(タップするとリペア後の写真に切り替わります)
革靴のえぐれ傷をDIYでリペア
5年履いているお気に入りの革靴(チャーチ コンサル)の つま先、踵のあらゆる箇所に傷が入りまくってしまいました。
歩道のちょっとした段差につまづいたり、階段を上っている途中につま先を削ってしまったり、ほとんどがつま先なのですが、何故か踵にも何箇所か傷が入ってしまっています。
数年前に同じ革靴(チャーチ コンサル)のつま先の傷(えぐれ傷、切り傷の複合型)のリペアを、プロの修理屋(RESH)にやってもらいました。
今回はセルフリペアをしてみることにしました。
「踵のえぐれ傷」編です。
contents
今回リペアする踵のえぐれ傷

[写真]チャーチ コンサルの踵(外側)のえぐれ傷

[写真]チャーチ コンサルの踵(外側)のえぐれ傷2
何をしている時についた傷がわからないのですが、外側なので結構目立つ。
色付き(黒)のクリームで目立たなくして履いていましたが、お気に入りの靴なので直してみることにしました。
革靴のえぐれ傷のリペアにはコロンブス社の「アドベース」というパテで傷を埋めて「アドカラー」で着色をするというのが一般的な方法のようです。
参考にいくつかブログを見て勉強しました。
どちらも仕上がりは…。
さらにAmazonのアドベースのレビューを見てみると、アドベースは完全に硬化することはなく、強めに擦ると消しゴムのカスのようにポロポロと剥がれるとの書き込みがありました。
硬化しないパテを使っても綺麗に仕上がる訳がない。
何か良い方法は無いかと考えた結果、「車の擦り傷用のパテ」を使うことにしました。
靴の傷を直そうと思って買った訳ではなく、実は最近、車のバンパーも傷つけてしまって買っておいたのですが、まさか先に革靴の方に使うことになるとは思っていませんでした。
使用した物


- バンパー用うすづけパテ(株式会社ソフト99コーポレーション)
- イングリッシュギルドビーズリッチクリーム
- 養生テープ
- サンドペーパー#1000
- 超精密研磨フィルム#2000(三共理化学株式会社)
手順
- 傷の周辺に養生テープを貼る
- サンドペーパーで傷を均す
- パテと靴クリーム(イングリッシュギルドビーズリッチクリーム)を混ぜる
- 手順3のパテで傷を埋める
- 24時間乾燥(放置)させる
- サンドペーパーで均す
- 研磨フィルムで均す
- 靴クリーム(イングリッシュギルド ビーズリッチクリーム)で仕上げ
【手順1】傷の周辺に養生テープを貼る

[写真]養生テープで傷の周辺を保護
補修跡を最小限にする為に、傷の周辺に養生テープを貼りました。
【手順2】サンドペーパーで傷を均す(ならす)
傷の部分をサンドペーパーの#1000番で優しく擦りました。
サンドペーパーは番手が数字が小さくなる程、目が荒くなります。パテを均すには1000番くらいで丁度良い感じでした、
【手順3】パテと靴クリーム(イングリッシュギルドビーズリッチクリーム)を混ぜる

[写真]車の傷用のパテと靴クリームを混ぜて使う

[写真]コンビニでもらうプラスチック製のスプーンを使用
車の傷用のパテは「ダーク&ブラック」なのですが、色はグレーなので色をつける為にブラックの靴クリーム(イングリッシュギルド ビーズリッチクリーム)と混ぜて使いました。
「パテ4」:「靴クリーム6」くらいの割合で混ぜました。
コンビニでもらうプラスチック製のスプーンを使いました。
【手順4】手順3のパテで傷を埋める

[写真]パテで傷を埋める
手順3で靴クリームと混ぜたパテで傷を埋めていきます。
プラスチック製のスプーンを使いました。なるべく平になるようにしましたが、後で削るので適当にやりました。
【手順5】24時間乾燥(放置)させる
車の傷用のパテの説明書には1時間〜2時間で硬化すると書いてありましたが、靴クリームと混ぜているので長めに乾燥させました。
乾燥後の写真

[写真]24時間乾燥後に養生テープを剥がした状態
24時間乾燥後、一度養生テープを外してパテの状態を確認しました。
完全に硬化しています。
【手順6】サンドペーパーで均す

[写真]再度養生テープで保護
サンドペーパーで均す前にパテが盛られていない部分に再度養生テープを貼ります。

[写真]サンドペーパー #1000
サンドペーパーは#1000番を使いました。

[写真]サンドペーパー使用後
サンドペーパーでパテを持った部分とその周辺部分を均しました。
24時間乾燥させたので完全に硬化していましたが、周辺部分が必要以上に削れてしまわないように優しく擦りました。
【手順7】研磨フィルムで均す

三共理化学株式会社 超精密研磨フィルム #2000
超精密研磨フィルムの #2000を使ってさらにパテと周辺部分を均しました。
研磨フィルムは水を使って研ぐようにして使うこともできるそうなのですが、水は使いませんでした。

[写真]研磨フィルム使用後
1000番のサンドペーパーで均した後、さらに2000番の研磨フィルムで仕上げました。
指で触ってもパテの凹凸は残っていません。研磨フィルムという物をこの時初めて使いましたが、コードバンの財布や鏡面磨きの時など革全般の手入れに使えそうです。
靴クリーム(イングリッシュギルド ビーズリッチクリーム)で仕上げ
研磨フィルムでの作業後の時点ではパテの部分の色が周囲と馴染んでいなかったので靴クリーム(イングリッシュギルドビーズリッチクリーム)で馴染ませました。
Before After写真
Before

[写真]えぐれ傷リペア前

[写真]えぐれ傷リペア前2
After

[写真]えぐれ傷リペア後

[写真]えぐれ傷リペア後2
まとめ
革靴の傷を埋めてリペアするのは初めてでしたが、想像以上の仕上がりでした。
近くで見ないとわからないレベルで華麗に直すことができました。あと2回くらいやればより完璧に近い仕上がりになると思います。
簡単ではありませんでしたが、楽しい作業でした。
リペアして数回履きましたが、車用のパテを使ったことによる問題は発生していません。
芯材が入っているところであれば踵だけでなく、つま先にも問題無く使えると思います。
自己責任でお願いします。
Post a Comment.
Title : Nonameさん
Posted by S
コバ周りにヤスリを使うのはもはや一般的になっていますが、アッパー部分のクラックを目立たなくする目的で革の表面を削ることはかなり前からやっています。ヤスリ使用後の仕上げとして研磨フィルムは使えるのではないかと思った所存です。
> 研磨フィルムは要するにすごい細かい紙ヤスリなのです。
> 使い方としては塗装⇒クリア塗装⇒紙やすりで研磨⇒研磨フィルムで研磨
> として、表面のクリア層を削りながら、少しずつ目を細かくすることでヤスリ傷がどんどん細かくなっていって傷が見えないようにしてつるつるにするものなので、表面を削っていますから。
> 革表面の油は硬化してるわけではないので、革を削ってしまってると思います。
>
> うーん…たとえばコードバンは厚み2mmあるといわれてますから、極端な話傷をヤスリで削り落としてその下の層を研磨してまたきれいにする。
> みたいなことが、革製品でもできるのであればいいお手入れ方法かもしれませんが。
> 詳しいわけではないのでそれはわかりません。
Title : Re: 自動車の擦り傷用のパテを使って革靴のえぐれ傷をDIYでリペア
Posted by 名前すら書けない馬鹿
研磨フィルムは要するにすごい細かい紙ヤスリなのです。
使い方としては塗装⇒クリア塗装⇒紙やすりで研磨⇒研磨フィルムで研磨
として、表面のクリア層を削りながら、少しずつ目を細かくすることでヤスリ傷がどんどん細かくなっていって傷が見えないようにしてつるつるにするものなので、表面を削っていますから。
革表面の油は硬化してるわけではないので、革を削ってしまってると思います。
うーん…たとえばコードバンは厚み2mmあるといわれてますから、極端な話傷をヤスリで削り落としてその下の層を研磨してまたきれいにする。
みたいなことが、革製品でもできるのであればいいお手入れ方法かもしれませんが。
詳しいわけではないのでそれはわかりません。
Title : ピロ吉さん >
Posted by S
コメントありがとうございます。
長い間ありきたりな内容が続いている事は自覚していました。申し訳ございません。
ネタと時間ががあれば1日2回の更新したいのですが現状では難しいです。
次回更新のタイミングは未定とさせていただきます。こちらについても申し訳ありません。
> 久しぶりにSさんらしいオリジナリティ溢れたシューケア2連発で興奮しております(笑)。
> 前回の「おしぼりケア」も目かウロコらうろこでしたが、今回も、すごい。
> 確かに踵だったらバンパーパテ、ありですよね。
> 少しずつ研げる「水研ぎ」が良いのでしょうが、「革に水」トラブル考えれば使わないで正解。
> 付け加えるとすれば、これは手先の器用なSさんだから出来ることで、
> 不器用な人・センスのない人は、パテが落ちたりするかもしれません(アドカラーも同じようなもんですが)。
> とても参考になりました。次回は年内UPでしょうか。楽しみにしてます。
Title : Re: 革靴の踵のえぐれ傷をDIYでリペア
Posted by ピロ吉
久しぶりにSさんらしいオリジナリティ溢れたシューケア2連発で興奮しております(笑)。
前回の「おしぼりケア」も目かウロコらうろこでしたが、今回も、すごい。
確かに踵だったらバンパーパテ、ありですよね。
少しずつ研げる「水研ぎ」が良いのでしょうが、「革に水」トラブル考えれば使わないで正解。
付け加えるとすれば、これは手先の器用なSさんだから出来ることで、
不器用な人・センスのない人は、パテが落ちたりするかもしれません(アドカラーも同じようなもんですが)。
とても参考になりました。次回は年内UPでしょうか。楽しみにしてます。