
LVC 501XXをヴィンテージカスタム
LVCの再現度、完成度は高い。とは言え隅から隅まで同じようにできているかと言えばそんなことはありません。比較した時にも書きましたが、明らかに復刻と分かる部分が何か所かあります。
今回は、その何か所かある、一目で「復刻と分かる」ポイントを解消すべく、「ヴィンテージカスタム」をすることにしました。
以前に「バックポケットのアーキュエイトステッチを抜きました」が、その続きです。
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ヴィンテージではないスニーカーのソールを黄ばませてヴィンテージのように見せるカスタムを過去にしましたが、今回はジーンズのヴィンテージカスタム。
今回カスタムする場所は計7か所。
contents
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1.セルビッジの赤耳が赤過ぎるので糸を抜く
[写真]左:LVC(施工前) 右:ヴィンテージ
購入当初から気になっていた部分ですが、穿いていくうちに薄くなってくると思っていました。10年近く穿いてきて若干薄くはなってきましたが、それでもやっぱり色が濃い。糸を抜きました。
[写真]抜いた後の「赤耳」
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2.裾のステッチを「オレンジ」→「イエロー」に替える
LVC裾のステッチ(新品時)
裾上げを2回程していますが、新品の時から裾のステッチの色はオレンジっぽい色でした。裾上げ依頼時に、糸の色の指定をしなかったので、元の色と同じ糸で裾上げがされています。
今回は、裾上げではなく糸の色だけを替えます。チェーンステッチであることは必須。「マジックミシン」に依頼しました。色は何種類かある黄色の糸を見せてもらい、ヴィンテージの色に近い色を自分で選びました。価格は2,200円。
Before After
[写真]左:LVC(施工前) 右:LVC(施工後)
After ヴィンテージとの比較
[写真]左:LVC(施工後) 右:ヴィンテージ
セルビッジ自体の幅が異なりますが、この年代のセルビッジは個体差があり、細いものものも太いものもあるようです。赤耳の糸を抜いてステッチをイエローにしただけでヴィンテージ感が格段にアップしました。
[写真]左:LVC 右:ヴィンテージ
赤い糸を抜くのはめんどくさい作業でしたが、視覚的に効果が大きく、LVCをお持ちの方で、裾を折り返して穿く方は必須のカスタムなのではないかと思います。
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3.トップボタン裏の「刻印」を消す
[写真]トップボタン裏刻印「4420」
一目で復刻と分かるトップボタンの裏の刻印。製造された工場の番号が刻印されていると言われていますが、このLVCは「4420」の刻印。紙やすりと電動ミニルーターで削って「刻印」無しにしました。
[写真]紙やすりで削る
1950年代までは、刻印無しでそれ以降は何かしら刻印がされているとのこと。
Before After
[写真]左:Before 右:After
綺麗に「刻印無し」に出来ました。自己満足の世界で、全く意味はありません。
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4.内タグを外す
[写真]内タグ
製造国や型番、洗濯方法などが記載された内タグ。当然穿いている状態では見えませんが、ヴィンテージにはない部分なのでカットします。
After
[写真]内タグ除去後
はさみで切っただけではなく、縫い付けられていた部分も綺麗に取り除きました。
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5.ポケットスレーキ「LVC」スタンプを消す
[写真]左ポケットスレーキのスタンプ
ポケットスレーキにある「LVC」のスタンプ。こちらも内タグ同様穿いている状態では見えませんが、除去します。
紙やすりで表面だけ薄っすら削ったら消えるのではないかと考えましたが、すぐに破れてしまいました。その後「マジックミシン」で当て布をしてもらいました。
After
[写真]マジックミシンでリペアしてもらった後
Before After
[写真]左:Before 右:After
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6.スチールボタンを錆加工(エイジング)させる
[写真]トップボタン錆加工前
トップボタンとフライボタンに錆加工をします。「10円玉」と「塩水」で簡単に錆び加工ができるとのこと。
手順
- ヤスリでボタンの表面を削る
- 塩水(1:1)にキッチンペーパーを浸す
- 10円玉と塩水キッチンペーパーをボタンの上に乗せて1日放置
作業中の写真
After
[写真]錆加工後
Before After
[写真]左:Before 右:After
After ヴィンテージとの比較
[写真]左:ヴィテージ 右:LVC
本物のヴィンテージでもここまで錆びたものはなかなかないと思いますが、ヴィンテージ感がかなり出ました。
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7.銅リベット飴色にエイジングさせる
[写真]コインポケットの補強リベット(LVC)
銅リベットのエイジング加工をします。ヴィンテージと比べると色が違います。明らかなエイジング不足。
ヴィンテージのコインポケットのリベット
[写真]コインポケットの補強リベット(ヴィンテージ)
ヴィンテージのような飴色の渋い銅色にする為、「銅いぶし液」というものを使ってエイジング加工をします。Amazoで300円くらいでした。
[写真]銅いぶし液(Amazon)
綿棒を使って「銅いぶし液」を直接リベットに塗っていきます。コインポケットのリベットだけでなく、「隠しリベット」、「スレーキ補強のリベット」にも塗りました。
Before After
[写真]左:Before 右:After
After ヴィンテージとの比較
[写真]左:LVC 右:ヴィンテージ
塗ってから30分くらいでいい具合に変色してくれました。本来は水で洗い流す必要があるようです。意図していませんでしたが、ポケットスレーキにはみ出した銅いぶし液も錆のような見た目になり、さらに見た目が良くなりました。
[写真]スレーキ(布地)部分にはみ出した「銅いぶし液」
LVC(リーバイスヴィンテージクロージング)のヴィンテージカスタム まとめ

[写真]上:LVC 下:ヴィンテージ
ヴィンテージジーンズと復刻を比べた場合に圧倒的に足りないのが、経年によるエイジング。デニム生地の色落ちに関しては、加工すると明らかに不自然になるので穿いてエイジング(色落ち)させるしかありません。
セルビッジやリベット、ボタンといった、穿いている状態では見えない又は見えづらい細かい部分ではありますが、自然に任せていては数十年かかるであろう部分を強制的にエイジングさせてみました。
ある人がこう言っていました。「オーラは細部の積み重ねで決まります。」と。個人的には大成功、復刻とは思えないヴィンテージのオーラを放っていると思っていますが、さて皆さんはどう思いますか?
カスタム作業の様子を動画に収めることに成功しましたのでご覧ください。
LVC(リーバイスヴィンテージクロージング)のヴィンテージカスタム DIY( Youtube動画)
カスタム後、再度買取査定に出してみた結果、驚きの価格になりました。動画をご覧ください。
「復刻(タグ・刻印がないLVC)」と「ヴィンテージ」を同時に査定に出したら驚きの結果に( Youtube動画)
カスタム前は3,500円でしたが、カスタム後は60,000円と大幅アップ。ヴィンテージカスタムは狙い通り大成功となりました。
LVC(復刻)モデルが定価を超える査定額になったこと(スタッフの経験不足による)はヴィンテージと同じレベルに育ったと言ってもいい結果。うれしかったのは間違いないですが、育てた期間の思い出は6万円では安すぎるということで、買取はしてもらいませんでした。